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大卒女性、19年ぶり子ども数増

高学歴の女性が産む子どもの数が回復しています。国立社会保障・人口問題研究所の2021年出生動向基本調査によると、妻が大卒以上の夫婦の子どもの数が2015年の前回調査の1.66人から21年の調査では1.74人と19年ぶりに上昇しました。仕事と育児の両立が困難だった高学歴の女性も、近年は働き方改革などにより産みやすくなっているようです。企業独自の調査でも、伊藤忠商事が4月、女性社員の出生率を発表したところによると、10年度に0.94だった出生率が21年度に1.97になったといいます。


何だかすごい伸びでびっくりしていますが、新聞記事のグラフをよくよく見ると、この研究所の調査は、出産できる期間をほぼ終えた45~49歳の妻の子どもの数を調べたもので、2002年は2.2人台と高水準だったのが、わずか10年余りで1.6人台まで低下し、それがちょっと回復したということのようで、19年ぶりに上昇、国の合計特殊出生率1.33人より相当高い!とまだまだ喜んではいられないようです。


2.2人だった2002年は、今から約20年前。私の周りでも減ってきたとはいえ、まだまだ専業主婦の方がいました。そこから20年経って、急速に働く女性が増えました。働く女性が増えるとどうしても分母が大きくなるため、仕事と育児の両立が困難な女性が変わらず多いと、子どもの数の平均は減ります。ただ、仕事と育児が少しずつしやすくなってきて、子どもなしよりも子どもひとり、子ども一人よりももうひとり、となってくれば、今度は分母の大きさが生きて、子どもの絶対数が増えてきます。そうなるにはまだスタートラインに立ったところくらいなので、子育て世帯を応援できる社会にドンドンなっていったらいいなと思います。

 

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