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大谷、真の二刀流証明 前人未到の投打規定数到達

米大リーグは5日、各地でレギュラーシーズン最終戦が行われ、オークランドでのアスレチックス戦に「3番・投手兼指名打者」で先発した大谷は5回1失点で負け投手となり、5年目を15勝9敗、34本塁打、95打点で終えました。投手では初の規定投球回を上回り、現行のメジャーで初めて、投打同時に規定に到達しました。


規定投球回数規定打席数をクリアするということは、主力選手として試合に出続けないと達成できない数字なので、一流選手の証ともいえます。特に投手の規定投球回数クリアは、投手の分業化が進んだこともあり、先発投手が長いイニングを投げないことから、メジャーでも減っており、2001年には80人余りいた規定投球回数到達者が20年後の昨年は39人と半分以下に。日本も、この間に30人から23人に減りました。打者の規定打席数は昨年もクリアしましたが、投手の規定投球回数は初めて今年クリアし、15勝9敗。防御率もメジャー全体で6位とトップクラスの成績を納めました。


これに、34本塁打95打点という打者の成績が加わるわけですから、本当に異次元の数字です。


注目は、ジャッジとのリーグMVP争いですが、リーグ新記録の62本塁打を放ったジャッジ本命と言われています。惜しくも、打率で5厘競り負け、二冠に終わりましたが、三冠王を獲っていたら本命ではなく、大本命になっていたでしょう。


ジャッジと大谷との比較がいろいろされていますが、とにかく大谷の二刀流が過去に例がないので、単純な比較では説得力を持ちません。チームの勝利にどれだけ繋がったかという数値でもジャッジが上回っているという記事を見ましたが、99勝してリーグ優勝をしたジャッジのヤンキースと、5回1失点でも負け投手になり、借金16で首位と33ゲーム差のエンジェルスとでは分母が違い過ぎる気がします。


大谷の投手と野手の成績を単純に足せばいいというものでもなく、両方ハイレベルでやり遂げることがどれだけ大変なのか、合算した数字にどれだけの変数を掛け合わせるのかに判断が分かれます。記事の最後にもありますが、いよいよ時空を超えた存在になりました。

 

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