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公明党、反撃能力は「日本へ攻撃後」抑止力強化に懸念

国の安全保障戦略の改定に向け、動き出しています。日米同盟で攻撃能力はほぼアメリカに依存してきましたが、他国がアメリカの軍事的な介入意欲が低いと思い込めば、日本を安心して攻撃できる状況が生まれます。それでは困るということで、政権与党の間で制度設計を詰めています。


まず政府は「相手が武力攻撃に着手した時で、現実の被害の発生を待たなければならないものではない」との見解を提示しています。相手の攻撃準備が分かれば、相手が攻撃する前に叩いてもいいということです。自民党は「相手側に明確な意図があり攻撃に着手している状況なら、それを脅威と政府が判断する」ということで賛成の立場です。


一方、公明党は慎重です。「ミサイルが発射されるのが前提にならざるを得ないのではないか。日本への武力攻撃開始が大前提だ」と、実際に攻撃を受けた後に反撃するものという考えのようです。これに対し、自民党内には、日本が撃たれる前に攻撃をしないといった方針を明確にすれば、相手への抑止力が弱まる恐れがあるとの指摘もあり、なかなか難しいです。


さらには、反撃・攻撃する対象の協議事項となっていて、ミサイル基地だけでなく、相手の指揮統制機能も含むべき、いやもっと広げてミサイルの発射拠点や保管庫も対象にすべき?など意見はさまざまです。


反撃対象の範囲までは何とも言えませんが、個人的には攻撃されるのはできるものならやられる前に叩いてほしい。しかし、記事にもあるように相手の発射前に武力攻撃に着手したと判断できるのか、分かるもんだろうかとは思います。発射拠点を分かりにくくする技術も開発されると思います。じゃあ、攻撃を受けた後に…では、確かにやられないとやりかえせないでは抑止力は弱まる。このあたりは、もう少し議論のゆくえを見守りたいと思います。

 

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