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都内マンション1億円超 パワーカップルけん引

東京都内の新築マンションの価格高騰が続いています。

不動産経済研究所が発表した調査によると、2023年度の東京都23区内の平均価格が、前年度比5.7%高の1億464万円と年度で初めて1億円を突破しました。平均で1億円ですから1億円以上がゴロゴロあるということです。兵庫県の中堅都市に住んでいるものとしては、正直1億円と言われても別世界のことのように感じます。
価格上昇の要因が3つ指摘されています。

ひとつは「低金利」。日銀の金融緩和と銀行の住宅ローン競争により利率が低下。住宅ローンが組みやすく、お求めやすくなりました。

ふたつめは「パワーカップルの増加」。共働き世帯における世帯年収1500万円超の比率が37.4%と、過去8年で約2倍に増えました。

そして3つめは「資産価値の先高観」。リクルートの調査によると「資産として有利だと思ったから購入した」という回答が32%で、2001年の調査開始から最高となりました。「ここに住みたいから」よりも「儲かりそう、損しなさそう」感が強いのでしょうか。

3つ挙げていましたが、今年に入って雲行きが怪しくなりつつあることは、記事にも触れられています。特に、ひとつめの低金利については、マイナス金利政策の解除により、低金利相場という前提が崩れる可能性が出てきました。住宅ローンを借りた人の74.5%が変動型金利だそうです。すぐのすぐに上がることはなさそうですが、住宅ローンの支払期間は30年を超えます。環境変化のリスクは、固定ではなく変動ですから、しばらく付きまといます。

さらに、今の「年収倍率」も果たして適正なのでしょうか。住宅価格が年収の何倍かを示す「年収倍率」の業界目安は6倍程度とされ、20代では7倍超でローンを組む例も多いそうです。どうりで億ションが売れるわけです。

個人的には相当な「リスクテイカー」だなと色々な面で思います。

 

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