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中途採用5割に迫る 今年度「新卒中心」転換点

日経がまとめた採用計画調査で、2024年度の採用計画に占める中途採用の比率が過去最高の43%と5割に迫る水準になりました。

主要企業5171社に採用計画を聞き、2242社を集計したもので、そのうち「いい人がいたら採ります」ではなく、具体的な数値目標を示して中途採用計画を回答した企業は全体の54.2%にあたる1215社と、昨年度の795社から大きく増加しました。

さらには、中途採用の計画人数は23年度の実績比で15%増の126,309人と過去最高に。新卒採用全体は同14.7%増の167,223人で、この結果計画時の中途採用の比率は23年度の37.6%から5.4%上昇し43%となり、採用計画の半数近くを中途が占める結果となりました。少子化と人手不足を背景に、中途人材を補充要員ではなく、戦略的に経営に取り込む企業が増えているようです。

日経調査の主要企業に中小企業はおそらく含まれておらず、大企業中心の傾向と割り引いてみる必要はありますが、それでも雇用の流動化が着実に進んでいることが分かります。

ただ、雇用の流動化を進めるだけなら、解雇規制を緩めることまでしなくても、相当数が動いていきそうです。企業が解雇しやすくなるとなると、ハレーションを起こす人もたくさんいるでしょうから…。ただ企業としては、意欲のある人、退社してもらったら困る人が退社していき、無気力な社員を整理することはできません。このあたりは、中途採用をさらに増やし、人員整理もしやすくするために解雇規制を緩めるか、とりあえずここくらいでいいかと妥協するかの判断になってきます。

 

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