時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

ウクライナ、23年の汚職対策進展わずか 遠いEU加盟水準

公共部門の汚職を調査するNGO、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は30日、2023年の世界各国の腐敗度ランキングの調査を発表しました。

TIの「腐敗認識指数」は国際機関やシンクタンクが集めたデータに基づき各国の清潔度を数値化したもので、1995年から毎年公表しています。指数の低さが腐敗度の深刻さを示しています。

ランキングの首位は前年に続きデンマークで、フィンランドニュージーランドなど、イメージ通りの国が譲位に並びます。アジアでトップ10に入ったのは5位のシンガポールのみ。日本の指数は前年と同じ73で、16位でした。

そして、早期のEU加盟に向けて汚職対策を急ぐウクライナですが、180か国中104位で、前年の116位からわずかな改善にとどまりました。指数は36。セルビアやブラジル、アルジェリアと同じで、前年の33から3ポイントの改善にとどまりました。

旧ソ連の崩壊後から「汚職大国」として知られてきたウクライナ。ゼレンスキー大統領は28日に自らの21年と22年の所得を公開し、透明性の向上をアピールしましたが、他の高官の多くは戦時中であることを理由に所得の公開を見送っています。腐敗対策も加速させていますが、まだまだ道半ばのようです。

ウクライナが加盟を目指すEUと西欧のスコアは65。最も低かったのがオルバン政権下で法の支配や民主化の交代が指摘されるハンガリーで、それでも76位と、ウクライナよりはまだまだ上位です。

ウクライナEUに入るには、スコアが45で67位のブルガリアと同レベルまで汚職対策を引き上げる必要があります。スコア36でやっとこさ104位。EUの外交筋が「欧州並みにするには10年以上の時間がかかる」というのも無理はありません。

 

www.nikkei.com