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中国離れ、止まらぬ中・東欧 ロシア擁護に反発と怒り

中・東欧諸国で中国離れの動きが勢いづいています。2010年代前半、中・東欧は経済協力への期待から中国に接近しましたが、次第に「中国熱」は冷め、中国がロシアのウクライナ侵略を非難せず、かばうような言動を続けていることが決定打になっているようです。


中国と中・東欧の16か国は2012年に経済協力を話し合うために、16プラス1という枠組みを設け、2019年にはギリシャが加わり17プラス1まで増えましたが、21年5月のリトアニアを皮切りに離脱が相次ぎ、14プラス1になってしまいました。チェコも追随する兆しがあるようで、さらに減るかもしれません。


ここにきての中国離れの原因は、ロシアによるウクライナ侵攻を非難せず、プーチン政権といまだに良好な関係を保っていることに多くの中・東欧諸国が怒っているからです。ハンガリーや、EU加盟国でないセルビアなど、依然として中国寄りと目される国も残りますが、これら例外を除けば、中・東欧の国は旧ソ連時代の苦しい経験から、もともと共産党体制へのアレルギーが強く、旧ソ連を引き継ぐロシアの蛮行を非難しないというのは、イデオロギー的にも許せないということでしょう。


中・東欧の中国離れは、ロシアの侵略以前からくすぶっていたようで、投資が当初の掛け声ほど進んでいないという現状もあるようです。


現在の中・東欧諸国の中国離れは、欧州連合EU)全体の対中政策を厳しい方向に引っ張る存在になるかもしれず、個人的には中国ともロシアとも関係を深めている、深めざるを得ないアフリカ諸国の動きにも注目しています。

 

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