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ロシア軍ミサイル、ポーランド着弾、2人死亡か

朝刊掲載締め切り後のニュースですが、これを取り上げないわけにはいきません。AP通信は15日、米政府高官などの話として、ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃が国境を越えて、隣接するポーランド東部の村に着弾し2人が死亡したと報じました。ポーランドNATO加盟国で、もし今回のが本当にロシアからの砲弾で民間人が死亡したとすれば、初めての事例になるとみられます。


北大西洋条約の5条に「一つの加盟国に対する攻撃をNATO全体への攻撃とみなし、加盟国は攻撃された国の防衛義務を負う」という集団的自衛権が定められているというのは広く知られたことです。NATO加盟国の1か国でも攻撃を受けたら、全加盟国で対処するということです。親露のトルコも反EUハンガリーも同じ義務を負います。


さらに第4条には「加盟国が領土保全や政治的独立が脅かされていると認めた時は、いつでも協議する」としています。ポーランドのモラウィエツキ首相は国家安全保障と防衛問題に関する閣僚委員会を緊急招集したと、同国の政府広報担当者のミュラー氏がツイッターで明らかにしました。アメリカのバイデン大統領は、ポーランドのドゥダ大統領と電話協議したと発表。ドゥダ氏がウクライナとの国境付近で起きた爆発に対する現時点での評価を説明した模様です。バイデン氏はポーランドの調査を全面支援すると約束。米国によるNATOへの鉄壁の関与を確認したと記事にはあります。


ロシアは関与を否定していますが、着弾したミサイルの破片などからロシア製のものか、そうでないかは明らかになるでしょう。というか、明らかにした上でバイデン大統領に説明していると思います。ミサイルが誰も住んでいない場所に着弾しただけでも大事なのに、人が、それも民間人が2人も亡くなったとあれば、大変なことです。それも、ウクライナの隣国で実質の「NATO前線基地」のような役割も果たしているポーランドがやられたとあれば、ポーランドへの思いも考えれば生半可な対処では済まないと思います。

 

ロシアとウクライナの戦争から、ロシアとNATOの衝突という別次元のステージに突入するか、大変なことになってきました。

 

www.nikkei.com