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狙われた「母なる機械」中国、日独の重要技術を核開発に転用か

中国の核兵器開発を担う国家機関が日米欧諸国から先端技術を得ていた可能性があることが分かりました。

先日、北朝鮮の核開発にドイツの機械が使われているとテレビのドキュメンタリーが取り上げていましたが、今朝の日経朝刊1面では、中国核機関「英雄」を紹介する中国メディアの画像に日本のDMG森精機の工作機械が映りこんでいると紹介されています。

「形状や大きさ、ロゴなどから、DMG森精機製と認められる」と、軍事情報サイトOryxがDMG森精機がドイツ工場で生産した5軸工作機械だと判明しました。DMG森精機の広報担当者は「ドイツ政府から許可を得て、(中国核機関の)CAEPとは別の企業に民生用途として輸出した」と説明します。輸出後の経緯は不明で、CAEPは取材に応じないそうです。

「世界の工場」として台頭した中国は工作機械の育成に力を入れてきました。2022年には約3.8兆円と国別生産額で世界トップを走りますが、なお技術的な課題は多く、加工性能が高い高級機の7割は日独からの輸入に頼っています。中でも5軸工作機械と言われる分野は日独の独壇場。軍事などへの不正利用で狙われています。

日本の技術が中国の核開発に利用されるのは何としても防ぎたいですが、厳しい輸出管理で規制しても敵もさるもの、流通を見えにくくするなど工夫しています。遠隔監視などの最新技術を用いて最終流通先に目を光らせるなど、さらなる対策が必要になってきています。

 

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