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台湾総統選「野党連合」が焦点 投開票まで3か月

2024年1/13の台湾総統選まで3か月ほどとなりました。

4氏で争う構図ですが、ホンハイ創業者の郭台銘氏は支持率で差があるため、実質は3人。民進党の頼清徳氏、国民党の侯友宜氏、そして台湾民衆党の柯文哲の3人です。蔡英文現総統の対中強硬路線を引き継いでほしくない中国側がいろんな操作をして、野党に支持率が集まるようにしているかもと思っていましたが、今のところは与党・民進党の頼氏がリードしているようです。

世論調査を手掛ける美麗島電子報が10/6に公表した支持率調査で、頼氏は36.7%とトップを走ります。総統選の「面接」(台湾メディア)ともいわれる夏の米国訪問を無事に乗り切り、安全運転でリードを保っています。蔡氏は10日の演説で中国との関係を「現状維持を核心としてお互いが受け入れ可能な平和共存の道を発展させていきたい」と穏当な表現にしました。後継候補の頼氏が総統選でリードしており、「邪魔をしないように」と野党につけいる隙をみせない作戦とみられます。

2位は柯氏の19.4%、3位は侯氏の17.7%、4位は郭氏で6.2%。このままではちょっと追いつけそうにないので、野党の侯氏・柯氏による連合が焦点になります。両者の支持率を単純に合算すれば、頼氏を上回ります。

ここで興味深いのが、柯氏の方がリードを保っているということです。これが逆なら、すでに柯氏は降りていたかもしれません。柯氏は第三政党の台湾民主党からの出馬。対する侯氏は、かつて中華民国を率いてきた国民党からの出馬です。台湾総統選で国民党が候補者を立てれないのは異例の事態で、国民党のメンツにも関わります。

時間も限られます。中央選挙委員会への立候補届け出は11/20〜24。1カ月あまりで副総統候補の選定や共通政策のすり合わせなども終える必要があります。まだ本格的な話し合いも始まっていない状況で、国民党の選対関係者は「難易度は高い」とこぼしているとか。でも、このままでは頼氏に逃げ切られる公算がより強くなります。

さてどうなることやら、です。

 

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