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台湾総統選への登竜門 蒋介石のひ孫、台北市長に

8年間に及ぶ台湾の蔡英文政権が来年終わりますが(再選は1度限り)、若きサラブレッドが登場しそうです。台湾の初代総統の蒋介石のひ孫で、二代目蒋経国を祖父に持つ、蒋万安(ばんあん)44歳。昨年末に国民党から台北市長選に出馬し、ライバルに圧勝し、史上最年少で当選しました。

万安氏は、米シリコンバレーの元弁護士で政治経験はなく、中国出張中の36歳で政界入りを決めました。蒋介石の亡き後を継ぎ、1970~80年代に総統を務め、米台断交で台湾の孤立が深まる中、経済発展の礎を築いた祖父の経国氏の人気は党派を超えており、有権者は経国氏に孫の万安氏を重ね始めたようです。

蔡政権の対中強硬路線の人気が陰り、昨年の統一地方選では惨敗。それと入れ替わるように、国民党の万安氏が表舞台に登場してきました。事実上の首都であり、メディアの注目度も高い台北でいい仕事ができれば、一気に総統選も駆け上がりそうな勢いです。直近4人の総統経験者の内、3人は元台北市長、まさに登竜門です。

国民党からの選出なので親中派には違いないでしょうが、果たして実際はどうなんだろうか。台湾有事が懸念される中、来年の総統選の行方は大注目です。

 

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