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インドネシアEV市場、中韓2強が覇権争い 低価格、後発でも成長

最初に見出しを見た時、「これは困った話だなと」と思いましたがすぐに「まあそうよな」と思ってしまいました。


インドネシアの自動車市場の将来性は相当有望です。同国の人口は2億7000万人で世界4位につけ、今後も増加が予測されます。アイルランガ経済担当調整相は8月、「インドネシアは人口1000人あたりの自動車保有台数がまだ99台と少ない」と発言、潜在成長率の高さを指摘し、購入層の裾野拡大も期待されます。


そのインドネシア市場を抑えているのが日本の自動車メーカーのガソリン車です。1~8月の自動車全体の販売シェアを見ると、トヨタ自動車の3割をトップに、ダイハツ工業やホンダ、三菱自動車などが名を連ね、合計で9割超を占めます。中韓は10年代から市場開拓を図ったものの、日本勢の強固な営業基盤に阻まれてきました。そんななか、EVがゲームチェンジャーとなりつつあります。


インドネシアのジョコ大統領が政権をあげてEV産業の育成に注力していることも中韓勢の背中を押しています。EV電池の主要材料となるニッケルの世界最大の生産国であることを強みに、海外の投資を呼び込み。25年に国内の自動車の生産台数の20%をEVにする目標を掲げており、政策を相次ぎ打ち出していることも支えです。


一方、日本勢は現時点で鳴りを潜めます。東南アジアでのEV普及はまだ時間がかかるとみて、米国と中国の市場開拓に注力しています。収穫期にあるハイブリッド車で稼ぎたいという意向もあると記事にはありますが、そんな悠長なことをしていていいのだろうかと不安になってしまいます。

 

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