時事マラソン

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あの時の中国は、今の中国にはいない 日本は中国に助けられた

現在の中国の景気後退ぶりはますます深刻になっているようです。

成長率は下振れし続け、債務の水準や不動産バブルの大きさが日本の90年代前半、すなわちバブル崩壊の時期に似ている。少子化高齢化の進行度合いもかつての日本とそっくり。日本のような長期停滞とデフレに陥る「中国の日本化」のリスクを世界中の投資家が議論をしています。

しかし、マネックスGのイェスパー・コール氏は、中国の未来が日本化だと私には思えないと言います。中国が長期停滞やデフレに陥らず復活する、のではなく、さらに厳しい時代が待っていると言っています。

バブル後の日本と今の中国が違う理由のひとつに、当時の中国の急速な経済成長は日本を不況から引き離す力を持っていたということです。日本の対中輸出額は1990年に1兆円未満だったが、2022年には20兆円近くまで拡大しました。対中輸出の持続的拡大は、この時期の日本の成長率を年0.3〜0.5%押し上げた計算になる。これは大きいです。日本がそこまでボロボロにならなかったのは中国の高成長のおかげとも言えます。

さらに、中国が力を入れているBRICSプラスも、日本にとっての中国のようにひとつの均質な市場ではありません。インドとイラン、アルゼンチンでは、場所も市場ニーズもなにもかもがバラバラです。バブル崩壊後の日本には中国がいましたが、今の中国にはそういった存在がいません。今の日本にその役回りを求められても、荷が重すぎます…(求める気もないでしょうが)。

今後の中国経済の行方に本当に目が離せなくなってきました。

 

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