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プリコジン氏暗殺の見方、ワグネル幹部らも同乗

ついにというか、やっぱりというか、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者のエフゲニー・プリコジン氏の乗った小型ジェットが、ロシアのモスクワ北西部に墜落し、ワグネル幹部ら乗客10名全員が死亡た模様と伝えられました。今年6月にモスクワに向けて進軍するなど、派手にやらかしたプリゴジン率いるワグネル。「裏切者」として無事ではいられないだろうと見られていました。

ロシア専門家によると、今回のジェット機墜落は、撃墜されたとみるのが自然で、プーチン大統領が命令した可能性が高いものの、軍関係者などがプーチン氏に忖度をして実行した可能性もあると言います。ワグネルの武装蜂起後にプーチン氏は「裏切者の処罰は避けられない」と激しく非難しました。その後、同盟国でもあるベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介でいったんは収束するかに見えました。安全が保証されているベラルーシを出て、アフリカやロシア国内を自由に渡り歩いていたというのですから、命は惜しくはなかったのでしょうか…。

今回のプリコジン暗殺(だとして)がプーチン政権にどんな影響を及ぼすのか?これは正直分かりません。ウクライナ侵攻の実働部隊として働いてきたワグネルの5万人以上とも言われる兵士はどうなるんでしょうか。だれがどうコントロールするのか。ロシア軍幹部をプリゴジンは嫌悪感と敵対心を露にしていましたから、簡単に言うことを聞くとは思えません。

次に、ワグネルはウクライナだけでなく、アフリカのマリやニジェールなどの独裁政権を取り込み、資源の利権を獲得することでプーチン政権に貢献してきました。これらはプリコジン氏の独特の才覚によるところが大きく、リーダー不在で成り立つものか。今回が暗殺だとすれば「意外と遅かった」という印象で、それはプーチン側がプリコジン不在でもワグネルの持つ情報や利権を引き継げるよう、この2か月間で準備していたのではという専門家の見方が正しければ、本当にプーチンとは煮ても焼いても食えない人物です。

 

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