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ワグネル反乱、プーチン政権揺るがす

土曜日に「ワグネル反乱」のニュースが入ってきて、「ひょっとして...」と期待しましたが、わずか1日で収束しました。

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者のプリゴジン氏は、プーチン大統領へではなく、ショイグ国防相ら軍幹部への不満が今回の反乱の動機のようです。具体的には、満足な武器や弾薬を供給せず、ワグネルをロシア軍の傘下に入れようとしたことに強い不満を持っていました。24日にはロシア南部ロストフナドヌーを制圧、そこから北上しモスクワの南方200キロまで迫りました。ロシア軍からの造反者が思っていたほど集まらず、プーチンからは「裏切者は罰する」とも言われ、ひよってしまいました。

そんなプーチンも、これまでの功績に敬意を表してか、プリコジン氏のベラルーシ亡命を許し、処罰の方針もわずか1日で撤回しました。ベラルーシのルカシェンコ大統領はプリゴジン氏と20年来の付き合いらしいですが、ルカシェンコはプーチンのほぼほぼ「言いなり」です。これまでのプーチンのやり口から、自らの権威に傷をつけてくれたプリゴジンを生かしておくのでしょうか…。

今回の反乱は、ウクライナにとって直ちにプラスに働くかというと、そうはならなさそうです。民間軍事会社はワグネル以外にもいますし、正規軍ももちろんいます。ただ、プラスには働かないにしろ、マイナスに働くことは何もありません。こういうちょっとしたクーデターから、戦況が大きく動き出すことはよくあります。

第2次大戦末期の1944年7月、ナチス・ドイツで反ヒトラー派の将校らによるクーデター未遂事件がありました。反乱は鎮圧され、計画は失敗したものの、ドイツは1年もたたずに敗戦し、欧州における戦争が終わりました。今回のロシアにおける反乱も欧州、そして世界秩序の先行きを大きく左右する起点になるかもしれない、と記事は締めくくられています。ロシアの側から、何か地盤沈下的なことが起こらないかどうか、注目していきたいと思います。

 

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