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日米「統合抑止」への変革 日本、台湾有事にらみ概算要求拡大

週をまたいで2回連続、日本の防衛費について今朝の朝刊1面の記事を取り上げます。
表題にもある「統合抑止(Integrated Deterrence)」は、日米で進む外交・安全保障戦略すり合わせのキーワードだそうで、今年5月の日米防衛省会談でオースティン国防長官が促し、事務方の交渉でもこの言葉が軸になっているようです。


意味としては、抑止力(Deterrence)を統合(Integrated)する。これまでの軍事力だけでなく、同盟国の能力、サイバーや宇宙の領域を幅広く活用していく。米軍単独では中国の脅威に対処できないという危機感が背景にあり、同盟国と連携を深め、補完し合う形で装備品を調達し、戦略や制度も見直さないといけない。今までのように、日本の防衛費の総額がいくらでGDP何%という数字ありきや、どんな整備品を購入するかという「買い物計画」ではない、もっと複雑で踏み込んだものになっていきそうです。


年末には国家安全保障戦略などの3つの政府文書が改定されるタイミングにも、間違いなく絡んでくるこの「統合抑止」です。


日米の間では、台湾有事の対応が何より懸案事項になります。アメリカは過去の条約の制約で現在中距離ミサイルは持っておらず、日本から中国に届く中距離ミサイルは日米ともに保有していません。対する中国は1250発以上持っていると言われており、「0対1250」という圧倒的な不均衡の修正が急務です。


装備だけでなく、インフラや制度、組織も日米がともに使えるようにしないといけません。特に組織は、日米の指揮系統が別々で、台湾有事に向けた「共同作戦計画」も、朝鮮半島有事のはあるけど台湾有事にはないと。

 

やることが山積みです。

 

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