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中村医師の生涯発信 アフガンで銃撃、今日で4年

アフガニスタンパキスタンで医療支援や農業復興に尽力した医師の中村哲さんがアフガン東部で殺害されてから4日で4年になります。

中村哲さんは昭和21年福岡県生まれ。九州大学医学部を卒業し精神科医に。昭和59年パキスタン北部ペシャワールの病院に赴任、ハンセン病対策など医療支援に取り組みます。戦乱と干ばつに苦しむアフガニスタンで、36年間にわたり人道支援を続けた中村哲さん。医師という立場を超えて井戸の掘削や用水路の建設にも取り組み、多くの命を救いました。アフガニスタンを大干ばつが襲って以降は水資源の確保にも取り組み1600本以上の井戸を掘削。さらに25キロ以上にもおよぶ用水路も建設し砂漠化した大地に緑を蘇らせました。しかし、令和元年に武装組織に仲間と共に銃撃され、73年の生涯を閉じます。

中村さんの母校・福岡高の卒業生らでつくる「ペシャライト」は、その生涯をSNSで発信しています。目の前の命に向き合った生きざまを同世代に伝え、「誰かが一歩を踏み出す勇気につなげたい」と考えています。「ペシャライト」メンバーは東京、京都、福岡の大学生や高校生らで構成され、アフガンで干ばつ被害を目の当たりにした中村さんが、用水路を造り、農業を復興させた軌跡を写真やイラストを交えて紹介しています。
ぺシャライトの「ライト」は、中村さんが好んだとされる「一隅を照らす」にちなんでつけられ、「自分のいる場所で最善を尽くす」を意味するそうです。「自分のできることをやる」という謙虚な姿勢を私たちも常に持ち続けたいです。

 

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