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三菱UFJ銀行、50歳以上に社内FA制度 自ら異動志願

三菱UFJ銀行は2024年、50歳以上の行員が自ら異動を志願して別の部署で働けるようにする制度を導入します。

まず本部の50歳以上の2500人規模を対象に働きたい部署や分野の希望を募ります。応募者には業務経験やスキル、アピールポイントなどを書いてもらい、人事部が本部や支店に応募者の一覧を匿名で通知。その後、マッチングや個別の面接などを経て異動を決定。給与は異動後の職位に基づくとのことです。

50歳代などの活用が待ったなしなのは、日本の銀行員が減り続けているためで、今後さらに人手不足が深刻になる見込みだからです。これまでは60歳以上を再雇用してきましたが、今後「金利のある世界」になれば、融資や運用はこれまで以上に難しさを増します。そこで、経験や知識のある50歳代を幅広い職場で生かす必要がある、そういうロジックです。

確かにいい人材を社外に流出させず、FA制度などで適宜配置換えできればいいに越したことないですが、これからはAI化もどんどん進んでいきます。何も人手不足を「人」で埋めないといけないことはないはずです。

このニュースを見た時に、人手不足対策よりも、「モチベーション維持対策」だと思っていました。支店長などの要職に就く50歳代以上はほんの一握りで、いわゆる「あがり」の行員がほとんどです。その人たちに、もうひと頑張りしてもらうための制度にも思えます。「自ら異動志願」とありますが、自らに課されたジョブに対して、成果を上げれてない人に対する「無言の圧力」にもなります。そういう意味では、ジョブ化の一環ともいえる社内FA制度です。

 

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