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J2町田ゼルビアがJ1初昇格 「高卒」黒田監督が就任初年度に大仕事

サッカーJ2リーグで首位を走っていた町田ゼルビアロアッソ熊本を0-3と下し、3試合を残してクラブ史上初のJ1昇格を決めました。

昨年15位から生まれ変わった大躍進。シーズン前にも時事マラソンで取り上げましたが、チームを初のJ1昇格に導いた黒田剛監督は、昨シーズンまで高校サッカー界の名将でした。青森山田高校で「全国3冠」を含む日本一7度。 28年間の高体連生活に別れを告げ、今季から町田の指揮官につきました。

プロの指導者としては初のシーズン。これまで、高校サッカーJリーグ監督の先人は千葉の市立船橋で一時代を築いた布啓一郎氏が有名ですが、J1昇格は果たせませんでした。「高校年代では無敵でもプロはまた別」と懐疑的な目も少なくありませんでしたが、重圧も乗り越えて1年目から大きな結果を出しました。

チームの後押しも大きかったです。一時はJ1ライセンスも取得できないクラブでしたが、2018年10月にサイバーエージェントが経営参画。メインスポンサーとなり、藤田社長が体制を大きく変えました。

クラブハウスやスタジアムを改修、クラブ史上最大規模の大型補強で陣容を刷新しました。19年にJ1横浜でリーグ優勝を経験したブラジル人FWのエリキを、推定2.6億円の移籍金で中国の長春亜泰から獲得。オーストラリア代表で昨年のカタールW杯にも出場したFWのデュークも獲得。昨季の51得点をすでに大きく上回る、リーグ最多の73得点を挙げています。

「就任前は半信半疑どころか懐疑的な言葉の方が多かった中、次にチャレンジする者に対して弾みがつくことにもなるだろうし、高体連の名誉と価値を高めるものにもなる」。そう信じてプロの世界に挑んだ覚悟が、報われました。

 

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