大相撲名古屋場所の千秋楽、109年ぶりの新入幕の場所での幕内優勝がかかった伯桜鵬でしたが、3敗で並んでいた関脇豊昇龍に敗れ、新入幕優勝はなりませんでした。
伯桜鵬の師匠は、元横綱・白鵬の宮城野親方。豊昇龍の叔父は、元横綱の朝青龍。白鵬と朝青龍は、ともにモンゴル出身。朝青龍の方が年長ですが、現役時代はバチバチのライバル関係でした。今回の対戦は、ふたりの半ば「代理戦争」のように見えました。
元大関や三役経験者を次々と破ってきた伯桜鵬でしたが、6場所連続で関脇を務め、大関昇進を目指す豊昇龍がさすがに地力で勝りました。
宮城野親方は、伯桜鵬に「豊昇龍対策」をかなり伝授して千秋楽に臨ませたようです。親方は優勝回数が歴代トップで、攻めも守りも多彩。力士としての引き出しの多さは他を寄せ付けません。きっと、的確な対策を教えたのでしょうが、将来性豊かな19歳の新鋭に、あれもこれも教え込んでいるとしたら、伯桜鵬自身が自分で感じて悩んで考えて大一番に臨む力がつかないんじゃないかと思ってしまいました。
どんなスタンスで教えているのかは知る由もありませんが、「負けて学ぶ相撲かな」ですから、自分で考えさせる余地も残していたらいいけどなあと老婆心ながら思ってしまいました。