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新旧ツアー対立、休戦モードに?マスターズ開幕

今日は珍しく、ゴルフを取り上げます。世界のゴルフのメジャー初戦、マスターズトーナメントが開幕しました。12度目の出場で2021年以来2度目の優勝を目指す松山英樹や優勝5度のタイガー・ウッズの活躍に注目が集まりますが、今大会の大きな話題が「新旧ツアー対決」です。

昨年発足した新ツアー「LIVゴルフ」。マスターズでも何度も優勝争いを演じたグレグ・ノーマン(オーストラリア)が率いる新ツアーは、サウジアラビア政府系ファンドの支援を受けて「LIV招待」としてスタートしました。「新時代のゴルフ」を標榜し、予選落ちがない54ホールで個人戦とチーム戦を開催するなど既存のツアーとは違うフォーマットを採用。ビッグネームも次々とくら替えしました。しかし、法外な札束攻勢による選手勧誘には、ジャーナリスト殺害関与容疑や人権軽視などすねに傷を持つサウジアラビア政府がスポーツを目くらましに利用しているとの批判が付きまとい、対立する米ツアーは移籍した選手を大会から締め出しました。

今年に入って、メジャー大会などへの出場はできるんだろうか、選手は出たいだろうがそう簡単にはいかないだろうなと思っていたら、マスターズを主催するオーガスタ・ナショナルGCは昨年12月、「出場資格を満たしている選手をすべて招待する」と決めました。フレッド・リドリー会長は「ゴルフ界の価値を損ねる現在の分断は遺憾だが、最高の選手を呼ぶという伝統を重んじる」との声明を出し、独占禁止法との兼ね合いもあり、寛容な対応をした格好となりました。

LIVツアーからの出場は約20人。その中には20年覇者のダスティン・ジョンソンや昨年3位のキャメロン・スミスなど、メジャー優勝経験者だらけのそうそうたるメンツ。優勝争いに絡む可能性は十分にあります。もちろん、米ツアーの顔としてLIV批判の急先鋒となってきたロリー・マキロイなども黙ってはいません。

激しく対立してきたLIVと米ツアー勢。コース外の論戦や裁判でのやりあいばかりが目立った両陣営ですが、ゴルフコースでの選手の真剣勝負は見どころ満載です。

 

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