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拡大続く日米球界の経済格差 受け入れ未来を考える時期

日本のプロ野球から米大リーグへ高額契約での選手の移籍が続いています。オリックスの日本一に大きく貢献した吉田正尚選手の巨額契約もびっくりしましたが、阪神でくすぶっていた藤浪晋太郎選手のアスレチックスとの契約にも驚かされました。出来高を除いても年俸325万㌦(約4億2000万円)で、昨季の阪神タイガース時代から9倍近くとなるそうです。


このままでは日本はメジャーに行くための「腰掛けリーグ」になりかねない、と危惧していると記事にはあります。圧倒的な年俸差の背景には日米球界の経済格差があります。約30年前の市場規模で比較すれば、1球団当たりの計算では日本の方が稼いでいたと。しかし、野球に限らず米国のプロスポーツは2000年以降、ネット配信や放映権料の拡大によって飛躍的に収入を拡大。より深刻なのはこの格差が縮小する見通しがまるで立たないことです。


これはサッカーのJリーグにも言えることで、年俸の差が5倍とか10倍とかになると、いかんともしがたい。米国ではスポーツベッティング(賭け)の広がりが各リーグを潤わせていますが、これが日本に解禁になったとしても今の経済格差が埋まるほどになるとは思えません。


圧倒的な経済格差を受け入れ、「腰掛けリーグ」となるのを前提とした上で、それでも国民的エンターテインメントとして進化するにはどうすべきか。と記事は締めくくられていますが、ネーミングは別にして「腰掛けリーグ」になっているという自覚は日本のプロ野球界もサッカー界もあると思います。ただ、それは日本だけの現象でなく、たとえば各国にプロリーグがあるサッカーなどは、世界の各地に「腰掛けリーグ」があります。でも、問題なく成り立っている。昨年のカタールW杯で優勝したアルゼンチンの国内リーグもそのひとつかもしれません。


そのリーグでいいプレーを観客に見せてくれ、選手も安心してプレーができる。さすがに、年俸差10倍が差が開き過ぎなので、もう少しベースは上げるとしても、それほど経済格差を深刻に考えなくてもいいような気もしてきました。

 

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