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「経済的威圧は米国自身」中国の新駐日大使が寄稿

中国の新駐日大使に着任した呉江浩氏が「中国が経済的な威圧行為をしているという米国の主張は事実無根とし、米国が貿易ルールを逸脱している」と日本経済新聞に寄稿し、非難しました。

中国に対する指摘に対して、逆に米国のさまざまな行為について、いくつかの質問を率直に提起したいと。

ひとつは、米国はいつになれば世界貿易のルールを踏みにじることをやめるのか。米国はWTOで100件超提訴され、その裁定に対して執行を拒否しているケースがあると。

ふたつめは、いつになれば自由貿易の破壊をやめるのか。ファーウェイにありもしない罪を着せ、人権や安全保障を口実に中国の製品や技術をおとしめたと。盟友の日本に対しても、スーパー301条を何度も発動していると、ご丁寧に日本のことにも触れてくれています(笑)。

最後に、いつになれば「制裁」のこん棒を振り回すことをやめるのか。世界40近い国に経済制裁を加えている米国の「無差別」制裁は経済回復に重い足かせになっていると。

普段は「中国けしからん」的な記事ばかりを目にしますが、たまに中国側の「言い分」的な記事を読むのもバランスが取れていいなと思いました。呉大使が主張されていることはすべてごもっともで、清廉潔白では全くない、そんな米国と付き合わざるを得ない日本の立場があることを、大使も理解されていると思います。清濁併せ呑んで同盟を維持していると。

非常に分かりやすい寄稿でした。呉新大使のお名前を覚えておきたいと思います。

 

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