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日豪は準同盟関係の深化を

岸田首相が豪州を訪れ、アルバニージー首相と会談し、中国への対処を念頭に置いた安全保障協力に関する新たな共同宣言に署名しました。第1次安倍政権の2007年に作った最初の宣言はテロや北朝鮮対策などが中心で、中国を想定した内容ではありませんでしたが、今回は台湾有事などを想定し「緊急事態に関して協議し、対応措置を検討する」と明記。対応措置は軍事的な協力や経済制裁も対象となる見通しです。


日本が同盟国の米国以外で、こうした緊急時の態勢を話す枠組みを作るのは初めてで、豪州は米国に次ぐ「準同盟国」の位置付けとなります。新たな安保宣言だけでなく、エネルギーの安定調達の面でも二国間の協力は重要です。豪州は、第二次世界大戦で戦った国でもありますが、民主主義や人権といった基本的価値を共有できる国で、私たちの豪州へのイメージも相対的に良好です。


対中国だけでなく、対北朝鮮、対ロシアなど国際的な枠組みの中での日本を考えた場合、米国以外の「仲間」が必要です。日本単独でできることはほとんどなく、他国との協力があってこそできることがほとんどだと思います。準同盟国との付き合い方をまずは豪州で慣れさせてもらって、次に豪州に続く国も考えたいです。個人的には、まずは英国と言いたいところですが、お家事情が大変なのでそれが落ち着いてからということにして、あとはインドとインドネシアを押したいです。特に、インドは中国との距離感が日本と似ていると思います。国境も接していますし、喧嘩はしたくないけど、仲良くもなかなかなりにくいというところで波長があいます。できればASEANの国でとなると大国インドネシアになるんですが、首相の外遊先にはよく選ばれているものの、どうも両国ともに本気度が感じられません。


豪州も政権が変わると、あれっ?という時がありますが、それは日本も同じ。まずは、日豪の準同盟関係を形にして欲しいです。

 

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