時事マラソン

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日本、中国のTPP加盟後押しを

私と同じことを考えてくれている衆院議員さんがいました。立憲民主党所属で当選1回、現在は党の政調会長補佐を務める太栄志(ふとりひでし)さんでした。存じ上げない方だったんですが、45歳で生まれてから中学まで沖永良部島で過ごし、鹿児島のれいめい高から中央大・院卒という、なかなか興味深いキャリアの方でした。

中国を既存の国際秩序に組み込むことは不可能ではありません。アメリカ離脱後、日本が主導的立場を担ってきた包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)に中国が2021年に加盟申請を行ったことは一縷(いちる)の望みであり、千載一遇のチャンス。中国の新規加盟にあたり、市場経済を支える高い透明性と国際通商ルールの順守と履行など、中国にTPPの高い要求水準を課すことで自己改革を促す絶好の機会であるという考え方に私も大賛成です。

加入手続きの段階で中国の本気度を見極めるのはもちろん、知的財産権や国有企業の扱いなどで中国が抱える問題などで妥協しないことは大切です。加入後も順守状況を監視する仕組みも導入すべき。それらがクリアできるなら、英国だけでなく中国も、そして台湾も加盟を認めたらいいと思います。

TPPにアメリカがいたら、中国の加盟に拒否権を発動しそうですが、幸か不幸かアメリカは離脱中です。枠組みから外れている、それも無責任な形で離脱をしたアメリカに、今件でガタガタ言われる筋合いはありません。それこそ「是々非々」で対応するべきです。中国にも恩を売れます。今の日本とって「アメリカ・ファースト」なのはわかりますが、「アメリカ・オンリー」である必要はありません。中国と喧嘩をして、日本が得することは全くないですから。

 

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