インドネシアの独立79年を祝う式典が、独立記念日の8/17にカリマンタン島東部に建設中の新首都「ヌサンタラ」で初めて開かれました。ジャカルタからの首都移転は、10月に退任するジョコ大統領のレガシー(遺産)のひとつ。今年の独立記念式典をヌサンタラで開くことが大きな目標でしたが、やり遂げたのがすごいことだと思います。
移転計画はジョコ大統領が19年に打ち出しました。現在の首都ジャカルタから直線距離で1200キロメートル離れたカリマンタン島東部は、東西の長さが北米並みという広い国土を有するインドネシアのちょうど真ん中あたり。熱帯雨林をゼロから開発し、新首都をつくっています。
世界4位の約2億7000万人の人口を抱えるインドネシアで、ジャカルタには周辺地域を含めて約3000万人が暮らすメガシティですが、人口が集中し、大気汚染や地盤沈下が深刻です。経済的にGDPの6割近くはジャカルタがあるジャワ島が稼ぎ出す構造となっています。新首都の建設はジャカルタの環境負荷を抑え、地方の開発により経済格差を是正する狙いがあります。
式典は、国生に描かれている伝説の鳥「ガルーダ」をモチーフにした新大統領府を背景に開催。すでにここで初の閣僚会議も開かれました。
9月以降には大臣や公務員が続々と移住を開始。年内には家族も含めて6000人前後が移り住み、2045年までには200万人の都市に育てる予定です。
そして、大統領令の公布をもって、法的にも首都がジャカルタでなくなります。これはこれでなんだか寂しいです。記事には、ジョコ大統領は公布の時期を明言しておらず、10月に就任するプラボウォ次期大統領が行う可能性もあると書かれていますが、さすがにジョコさんがやるでしょう。まさか、長男のギブランが大統領になった時にするとか!?