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インド「我々が世界秩序を築く」国連安保理は古い会員制クラブ

インドの総選挙で、議席数は減らしたものの、勝利したモディ首相の3選目が始まったのを受け、日経が「モディ3戦の死角」という特集を組んでいます。

5/21にイラン大統領のライシ氏などが乗っていたヘリコプターが墜落する事故を受け、インドは国を挙げて喪に服しました。インドとイランは近年、インフラ建設やエネルギー分野で関係を深めてきましたが、それに対して米国務省が難色を示すと、インド外相のジャイシャンカル氏は「狭い視野でみるべきではない」と反論しました。

ジャイシャンカル氏は「我々が世界秩序を再構築する」とも豪語しています。国連の安全保障理事会を「古い会員制クラブ」だと切り捨て、「会員を入れ替えろ」と言い放ちます。日本も、国連安保理には入っていませんし、会員を入れ替えて日本が常任理事国になりたいと思っていますが、ジャイシャンカル氏のようにはっきり言える人はいません。ちょっとうらやましい気持ちになります。

記事にもある通り、アメリカや西側諸国から見ると、インドは「食えない」存在です。安全保障面では日米豪とのクアッドに参加しつつ、冷戦時代から武器の供与を受けてきたロシアとの信頼関係も厚い。ウクライナ侵略を受けた米主導の制裁には同調しないどころか、武器やロシア産原油は大量購入しています。しかし、インドは中国とライバル関係にあるため、「敵の敵は味方」とばかりに、アメリカもインドには秋波を送る。日本も同様です。

インドは自分たちの強みをよく分かっています。中国に台頭してもらいたくない国が少なからずあり、その国々はきっと自分たちを頼りにしてくると。その受け皿にしっかりなっていると思います。

 

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