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インドネシアの国民歌は五輪真弓さんの曲、懐かしさに共感

「日本のジェンダーギャップ指数、過去最低更新の125位」を取り上げても夢も希望もないので、「心の友」にします。

インドネシアで必ず聞く日本の歌があります。天皇皇后両陛下の歓迎のためにインドネシア伝統の竹楽器「アンクルン」での演奏と共に披露もされた、シンガーソングライターの五輪真弓さんの「心の友」。

1982年に発表されましたが、日本では「恋人よ」のようなヒット曲にはなりませんでしたが、インドネシアでは80年代にラジオで人気に火が付き、いまでも歌い継がれています。音楽の授業でも取り上げられ、2004年のスマトラ沖地震では復興の応援歌にもなり、さながら国民歌です。

インドネシアの若者がどこまで知っているかは分かりませんが、50代以上の人はほぼほぼ知っていると思います。今でも、ホテルやカフェなどでの生バンドの演奏で、私たちのような日本人を見かけると、リクエストをしなくても「心の友」を歌ってくれます。もちろん日本語で、です。

「心の友」以外でも、2020年10月に歌手の松原みきさんの「真夜中のドア」を、インドネシアの女性Youtuberがカバーし人気に。1970年代に日本で誕生した「シティ・ポップ」が時代を超えて、国もまたいで流行しました。

日本のポップスがなぜインドネシアで流行するのか。インドネシアで活動するシンガーソングライターの加藤ひろあきさんは「日本のポップスは民謡の影響が大きく、インドネシアでもクロンチョンという昔ながらの大衆音楽がポップスのルーツのひとつであることから、日本の曲にどこか懐かしさをかんじるのでは」と語ります。

近年は日本だけでなく、インドネシアにもK-POPなど韓国文化が席巻していますが、加藤さんは日本勢の巻き返しのヒントを「伝統を背景とする蓄積」に見出しています。

 

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