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両陛下、残留日本兵2世らと面会 苦難の歴史に光、契機に

天皇皇后両陛下は、訪問先にインドネシアで、19日に残留日本兵2世の方と面会し、昨日20日にはインドネシア人と共に戦った日本人も埋葬されているカリバタ英雄墓地に訪問されました。

第2次世界大戦中、日本はオランダの植民地だったインドネシアを1942年から約3年間占領統治しました。終戦後に、再びインドネシアを取り戻そうとオランダが侵攻。戦後も現地に残った日本兵は49年まで約4年間続いた対オランダ独立戦争に加わりました。その数は約1000人と言われ、独立戦争で多くが死亡・行方不明になり300人ほどになったと言われています。

2014年には最後の残留日本兵、小野盛さんが94歳で亡くなりました。小野さんは、テレビ朝日の「世界の村で発見!こんなところに日本人」に出演、女優のかたせ梨乃さんが東ジャワのバトゥまで訪ねました。私も、この番組が好きでたまたま見ていました。視力を失い、日本語を思い出しながら朴訥と話す姿は仙人のようでした。出演されたのが2014年1月、亡くなったのが8月。貴重な映像となりました。

残留日本兵を巡っては、戦後まもない日本で「逃亡兵」と呼ばれ、日本軍の所属部隊から離脱したなどと否定的な捉え方をされることがありました。残留日本兵は、日本に「帰らなかった」だけでなく「帰れなかった」人もたくさんいるということです。インドネシア国内でも、日本軍政に対する反感を背景に、その存在は広く知られてきませんでした。

1963年には残留日本兵インドネシア国籍付与を求める大統領令が公布。戦後のインドネシアで家庭や職など生活の基盤を築きました。同国語を話してインドネシア名を名乗り、家族を残した祖国を思いながらも「ひっそりと暮らしていた」人が多かったといいます。

これを機会に、インドネシアの残留日本兵について、もっと研究が進んでほしいと思います。

 

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