先週金曜日に石破茂氏に決まった、自民党新総裁。週末にかけて、閣僚・党役員人事が続々と報じられています。
いくつかポイントがあります。ひとつは、幹事長をどうするか。幹事長は党の要職ですが、今の岸田首相と茂木幹事長はうまくいっているようには思えませんでした。茂木氏は総裁選で「増税しない」など、首相の苦労を逆なでするような政策を掲げていましたから。石破氏との接戦に敗れた高市氏が唯一臨んだポストが幹事長らしいですが、正直言ってそれは「あつかましい」というものです。右過ぎる高市氏と、党内では中道からやや左もカバーする石破氏とは考え方が違いすぎますから、高市幹事長でうまくいくはずがありません。
幹事長は、現総務会長の森山裕氏が内定しました。79歳で経験豊富。公明党にも顔が利きます。次期首相への野心もそれほどないでしょうから、いい人選だと思います。
次に、外相には石破陣営の推薦人代表で元防衛相の岩屋毅氏、防衛相には中谷元氏が返り咲きます。このふたりは外交・安全保障に精通しているイメージで重鎮感もあり、安心感があります。石破さんの「アジア版NATO」案などがさっそく物議を醸していますが、議論を整える役割にも期待したいです。
最後に、総裁選を戦った候補者の処遇ですが、小泉進次郎氏の選対委員長はいいとして、林芳正氏を官房長官留任、加藤勝信氏を財務相に起用するのには少し驚きました。党内に確固たる基盤がない石破氏とは言え、閣僚の中でも最要職を充てるとは、かなりバランスをとった印象です。
個人的には、なかなかいい布陣なのではないかと思っています。