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中国企業、海外で待つ「踏み絵」

中国企業が海外進出を急いでいるさなかに、思わぬ問題が表面化しました。

2023年12月期の中国本土上場企業の海外売上高は約8兆元(約166兆円)で、前の期の5%増、売上高全体に占める海外比率も13.1%。中国の過剰生産を警戒する欧米の制裁関税などの影響はどこ吹く風です。

そんな中で、欧米の制裁関税に匹敵する障害となりかねない事件が起きたとこの記事にはあります。

中国の電動二輪最大手のヤディアグループが、海外ユーザー向けのホームページの店舗地図に、南沙・西沙諸島の中国名しか表記していなかったことに対して、ベトナムの読者から批判が殺到。中国とベトナムはまさに今、このエリアでやりあっていますから、怒りは当然。ヤディア自身も、日本勢からベトナムでのシェアを奪うために、新工場も着工したばかりで、異例の謝罪を迫られました。

中国政府は、中国市場で収益を上げる外資企業が、領土や人権問題など政治問題で中国を批判することを許さず、強い姿勢を貫いています。しかし、中国企業が海外で存在感を増すにつれて、いずれは同じような政治の「踏み絵」を踏まされる可能性は大いにあります。

その時の決断の難しさは、在中国の外資系企業の比ではないと記事は締めくくられています。中国国内では強い態度なのに、今度はよその国でやらかした時に謝らない国や企業が信頼されるはずはありません。中国という国や企業は「謝罪する」ことが苦手というか、できないような印象もあります。

ちなみに、ベトナムでは、ベトナム現地法人、ヤディア・ベトナムの代表者が謝罪しました。代表者がベトナム人なのか、中国人なのかはわかりません。

 

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