時事マラソン

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革新を追い求める前にカイゼンを

イェスパー・コールさんの「エコノミスト360°視点」、毎回楽しみに読んでいます。
今日の記事は、日本の「カイゼン(改善)」とアメリカなどの「イノベーション(革新)」の違いについてです。

米国人は想像力を掻き立てる未来のコンセプトやアイディア、言葉を考え出すのが得意で、イノベーションやディスラプション(破壊)などは、多くの日本人が称賛するコンセプトです。しかし、日本にも世界から称賛されるコンセプトはあります。それが「カイゼン」だと氏は言います。

イェスパーさんとイーロン・マスク氏がパネル討論会で一緒になった時のエピソードがおもしろいです。マスク氏は、公共交通問題を解決するのに自動運転車の利点について熱く語った一方、いや、東京や大阪にはすでに「チカテツ」という完ぺきに機能する自動運転車があると言ったら、マスク氏は激怒したそうです。地下鉄をバカにするマスク氏の姿が容易に想像できます(笑)。

実際のアメリカの公共インフラは驚くほど貧弱です。目の前のことに懸命に努力をするよりも、未来を夢見る傾向にある。将来のリターンが大きそうな新興企業には、どーんと資本を投下するが、既存のインフラのアップグレードにはあまり興味を示さないのがアメリカだと。

一方の日本は、日本の優秀な公共サービスは、経済的には少々効率が悪いかもしれないけど、日々の「カイゼン」により便利で住みやすい国になっている。特に高齢化社会が進む日本にとっては、非常に重要なことだとイェスパーさんは言います。

日本の「カイゼン」には、従業員ひとりひとりの「好奇心」と「謙虚さ」が組み合わさっている。そのトリプルKのスーパーパワーに焦点を当てれば、未来は明るいと締めくくっています。

お盆休み前に、なんだか元気になる記事を読みました。

 

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