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NATO、アジア関与拡大 中国を批判「ロシアの決定的な支援者」

米ワシントンでの開催中のNATO首脳会議は、ウクライナへの長期支援策が主要議題となりました。その首脳宣言で、中国をウクライナ侵略を続けるロシアの「決定的な支援者」と名指しで批判しました。

NATOは設立当初は、旧ソ連を仮想敵として、アメリカも関わって欧州の防衛に力点を置いてきました。2022年にまとめた「戦略概念」で中国を初めて「体制上の挑戦」と位置づけ、翌23年の首脳宣言では「中国の野心と威圧的な政策はNATOの利益や安全、価値観への挑戦」と記しました。

まあ、このへんくらいまでなら、中国側としても文句は言いつつも、アメリカと並ぶ「超大国」への野心は隠しませんから、「言われてもしゃあないかな」とは思ってると思います。でも「ロシアの決定的な支援者」とまで言われると、さすがに「ん??」と思ったでしょう。ずいぶんと、NATOも突っ込んだ言い方をしました。

NATOの言い分はもちろんあります。ウクライナに侵略を続けているロシアに欧州・NATOは支援を続けていますが、それに加担しているとなれば放っては置けません。カーネギー国際平和財団によると、ミサイルやドローン、戦車などの部品に転用可能な50品目について、ロシアが中国から輸入する割合は21年の32%から23年に89%に急増しているそうです。

北朝鮮によるロシアへのミサイルや弾薬の供給にも「大きな懸念」を示しました。安全保障をめぐるNATOの守備範囲が、欧州だけにとどまらず地球規模で拡大。大西洋と太平洋で分けられる時代ではなくなったと記事にはあります。国防をアメリカに依存している日本としても、「味方(アメリカ)の味方(NATO)は味方」ということで、NATOと協力関係を気づくのは当然のことです。

 

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