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セブン、難路のコンビニ集中 「総合路線」捨てきれず

セブン&アイ・ホールディングスのグループ経営が大きな試練に直面しています。積年の課題であるイトーヨーカ堂をグループ内にとどめながらも、大幅リストラに踏み出すと発表したが、先行きは厳しいとの見方が強いようです。

同社は、東京・浅草の洋品店「羊華堂」が発祥で、グループの祖業であるヨーカ堂構造改革は長年の課題となっています。これまでも不採算店の閉鎖などを繰り返し、店舗数は2016年の182店舗から126店舗まで減りましたが、それでも収益は改善せず、22年2月期は112億円の赤字と2期連続の最終赤字。そこで登場したのが、物言う株主として知られる米バリューアクト・キャピタル。コンビニエンスストア事業のスピンオフ(分離)を検討するよう求めてきましたが、ヨーカ堂の店舗を2026年2月末までに2割超削減、グループ発祥のアパレル事業からは完全撤退するものの、ヨーカ堂事業はグループ内にとどめ、コンビニとの両軸で食品に注力していくと発表しました。

コンビニ事業はセブンが圧倒的な競争力を保っていますが、国内のコンビニ出店余地は狭まっており、加盟店オーナーのなり手不足に加え、これまで成長を支えてきた24時間営業も人手不足や就労観の変化を受け、いつまで継続できるかは不透明です。だからこそ、コンビニに特化せず、総合小売り路線を維持したのかもしれませんが、先行きはなかなかに厳しいです。

 

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