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大学入試、偏差値時代終幕の足音 推薦・総合型が過半に

受験地獄といわれた入試環境が18歳人口の減少で激変し、偏差値で大学が序列化される時代が終わろうとしています。


年明けの一般入試を待たずに、年内入試で合格を決める、「推薦・総合型」が受験生の半分を占めるようになってきました。推薦型とは、大学の付属・系列校や指定校推薦を指し、付属校の新設や系列校化も年々進み、囲い込みを進めています。以前はAO入試でしたが、昨年から呼び方が変わった総合型とは、面接や小論文、プレゼン、検定試験の結果などで選考するもので、推薦型による入学者も合わせると、2000年度は全体の33.1%だったのが、2021年度は50.3%と初めて半数を超えました。私立に限ると、20ポイント増の約6割に達します。


受験生も一発勝負の一般入試より、早めに合格できる年内入試を選ぶのは当然の流れです。一般入試で複数校を受けるより推薦1校で決まれば、受験費用も安く済みます。1点刻みの選抜が権威を持つ時代の終わりを歓迎すべきだという意見が記事にありますが、私も同じ考えです。予備校などに相当額のお金を払って、時間も心もすり減らす一般入試を受ける子がひとりでも減ったらいいと思っています。


総合型の受験生が増えると丁寧な選考ができなくなり、学力不足の学生が増えたという課題も書かれていますが、それは入学後に大学が簡単に単位を与えないようにすればいいだけだと思います。あとは、一般入試よりも緩くふるいにかけて入学してきた学生をどう育てるかが大学は問われます。入学者をたくさん欲しいからと、学力不足の生徒もたくさん取り、入学してからたいした指導もせずほったらかしでは困ります。入学後の指導が重要になってきます。

 

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