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行政DX 加速へ再起動 内閣改造、デジタル相に河野太郎氏

岸田首相は10日の内閣改造でデジタル相に河野太郎氏を起用しました。経済安全保障相には高市早苗氏が就き、2021年9月の自民党総裁選を首相と争った両氏が力を注いできた分野の閣僚に据えた人事は、次の総裁選出馬に向け、切磋琢磨してほしいふたりです。


特に、河野太郎氏は昨年の自民党総裁選で、第1回目の投票では岸田氏に1票差の2位に。惜しくも決選投票では敗れましたが、岸田首相の次の候補の一番手と言っていい存在です。


そこで、ぜひ今回のデジタル相で実績を作ってアピールしたいところです。一番の課題は「行政のデジタル化」です。政府と自治体のシステム基盤となる「ガバメントクラウド」整備、行政デジタル化を阻むアナログ規制の見直しなどが一斉に具体化の段階に入ります。税や住民基本台帳など主要20業務を対象に、仕事の進め方や仕様を統一し、バラバラだった行政システムを政府のクラウドに移行するという一大事業です。2025年度までの移行でシステム費用を3割削減する目標を掲げるが、思うように進んでいないようです。


小規模自治体からは「かえってコストが増える」との懸念も漏れています。国と自治体のコストの負担割合など、財源も絡む議論は23年にかけて本格化が見込まれ、自治体や財務省との難しい交渉の指揮を河野氏が担います。河野氏の実力が試される絶好の機会です。


マイナンバーの利用促進なども含めて、デジタル関連の改革は、私たち国民の目が届きやすい分野です。うまくいかなければそれまでですが、うまくいけば「河野首相待望論」が世論から出てくる。そうなると、国会議員先生たちも「いっちょやらせてみるか」となる。


できることを、手当たり次第にやってほしいと思います!

 

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