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追悼演説の奥深さ

国会の「追悼演説」には名演説が多い。一人の政治家の生涯を歴史に刻もうと、党派を超えて選ばれた演説者が真摯(しんし)に言葉を練り上げるからだろう。生い立ちから政治を志すきっかけを丹念にひもとき、取り組んだ政策や知られざる交友関係などを語り尽くす。やじが飛び交う衆参の本会議場がこの時ばかりは厳粛さに包まれ、政治の奥深さを感じさせてくれる。と、あります。


神戸新聞だけに、兵庫ゆかりの2つの演説、さらには、首相在任中に倒れ、沖縄サミット前に亡くなった小渕元首相に向けた、村山元首相の演説も紹介されています。


名追悼演説は、党派を超えているところがいいのでしょう。普段は、喧々諤々、時には汚い言葉も交えながらやりあいますが、元をただせば政治家同士。思いは違えど、国のために力を尽くしたいという根の部分は同じだから、いろいろ滲み出てくる言葉があるのでしょう。たくさんの候補の中から選ばれし人という名誉なことでもあるので、死を悼む場でありつつも、追悼演説する当人としては晴れ舞台でもあります。


安倍元首相の追悼演説の演説者に、甘利前幹事長の名前が挙がっていましたが、秋に先送りになりました。記事にもある通り、気心知れたお友だちの思い出話より、激しい論戦を繰り広げた好敵手が挑む最後の真剣勝負に、私も期待したいです。「私の弔辞を安倍先生に話して頂くつもりでした。無念です。」と話した、麻生さんの弔辞もよかったですが、追悼演説の演説者はぜひ自民党以外の人にしてもらいたい。私は、野田佳彦元首相が適任だと思います。

 

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