時事マラソン

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挑発いなせぬ「脆き大国」 中国、ペロシ氏台湾訪問に猛反発

月曜日の時事マラソンで、ペロシ米下院議長の訪台に触れ、「行くも行かないも悩みどころ」と書きましたが、結局は「行く」を選びました。結果論ではありますが、後から考えると「まあ行くだろうな」という感じです。


ペロシ氏は82歳。対中政策では強硬派で知られ、かねてからウイグルなどでの中国政府による人権弾圧を批判してきました。野党・共和党上院議員26人が、ペロシ氏の訪台を支持する共同声明も発表。中間選挙を前にして、ライバルのお墨付きも貰っていました。


バイデン大統領が軽く難色を示しましたが、ここがアメリカの三権分立の特徴で、大統領と議会はあくまで独立。大統領の意見より、議会全体のコンセンサスの方が優先。対中問題は、厳しい態度で臨むことで両党とも一致しています。秋の中間選挙では、与党・民主党過半数割れが予想されています。民主党ペロシ氏が下院議長として訪台するのは今回がラストチャンス。共和党としても花を持たせたのかもしれません。


対する中国。アメリカは「下院議長の訪台は初めてではない」と言っていますが、1997年のギングリッチ氏は共和党の下院議長でした。当時の政権はクリントン民主党政権でしたので、ある意味野党の下院議長でしたが、今回のペロシ氏は与党の下院議長。1997年より、一歩踏み込んだ訪台だというのが中国の意見です。


しかも、日帰りならまだしも、1泊しました。たった1泊のことですが、これも中国としては非常に面白くない。さっそく大規模な軍事演習で即座に対抗姿勢を見せましたが、この程度で終わるのか。秋の共産党大会で3期目を目指す習主席ですが、8月は党長老らが大詰めの調整をする「北戴河会議」の重要な時期でもあります。


今後の中国の動きにますます目が離せなくなりました。

 

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