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ボッシュ、40万人をリスキリング IT人材に転換

ドイツの自動車部品最大手のボッシュが、世界40万人の全社員のリスキリング(学び直し)に挑んでいます。40万人という人数も、2026年までの10年間でかける20億ユーロ(約2830億円)という費用も破格です。電動化や自動運転など、ソフトウエアが車の優劣を決める競争軸の転換に対応します。


ボッシュはEVシフト前の16年、IT(情報技術)教育機関を設立。3つの場による学び直しで先行します。

 

1つ目は「教育機関の専門施設」。EV、ソフトウェア、データ分析などの技術者を育てるため、世界に7つの教育専用拠点を設けています。

 

2つ目は「仮想空間のキャンパス」。世界の社員がアバターで専門家の授業や討論、実践講座を受講でき、2025年には1400講座のうち、80%以上をオンライン対応にします。

 

3つ目は「新旧の職場で働きながら受講できるということ」。研修と並行して、旧職場の仕事をこなしつつ、学んだ知見を新職場で実践し、着実に身につけることができます。

 

これらのボッシュの取り組みは現時点ではリスキリングの理想の極致だと思います。大変すばらしいです。今日の新聞を見るだけでもあちこちにリスキリングの文字が躍っていますが、日本で学び直しというと、国や地方自治体がやりそうに思いますが、どうしてもハローワークの何とか技能講習みたいなイメージが拭えず、あまりいいイメージが湧きません。

 

フランス政府は25年までに国内15万人にEV向けのリスキリングを実施予定。日本でも6月にグーグル日本法人など50近い官民組織でデジタル技術教育の支援団体が発足したばかりでまだまだこれからです。リスキリングは企業が主体となってやるのが基本になってくると思います。そこに、国がどう邪魔をせず応援できるか。官民の連携がカギを握ると思います。

 

 

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