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「分断」深めた剛腕の3年 ジョンソン英首相 辞任へ


 イギリスのジョンソン首相は7日、「新しいリーダーを選ぶプロセスを始めるべきだとの意見に同意した」と述べ辞任を表明しました。

 

新型コロナウイルス対策の行動規制下でのパーティー開催問題など政権の不祥事が相次ぎ支持率を大きく落とし、7月上旬には過去に痴漢行為の苦情があった議員を党幹部に起用したことが発覚。説明が二転三転し強い批判にさらされていましたた。5日に財務相と保健相の2人の重要閣僚が辞任すると、7日朝までに副大臣級など与党議員の役職や複数の閣僚も辞任。合計の辞任者は50人以上に達する異常事態となり、続投が困難になりました。内政では自らのうそがうそを呼び、有権者からも与党・保守党からも愛想をつかされた格好になりました。


3年間の在任中の最大の「功績」は何といっても、欧州連合からの離脱でした。国民投票前にジョンソン氏自らもEU離脱を推進していたので「自己責任」的な部分もありますが、それでも過程に様々な問題があったにせよ、国民投票の結果の通りEU離脱をさせれたのはジョンソン氏だったからこそだと思います。


対ロシア、対中国にも強硬路線で臨み、主要国の首脳では最初にウクライナの首都・キーウに乗り込んだのもジョンソン氏でした。TPP加盟申請に向けても舵を切ってくれ、個人的には親しみやすさを感じていました。これから選ばれる次期首相は、外交安全保障政策はもちろん、高インフレ下での政策のかじ取り、英領北アイルランドスコットランドEUとの関係の修復など、難易度高めの課題が山積みです。状況によっては、再登板もあるのではと思っています。

 

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