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甲府、PK戦制し天皇杯初優勝 J2勢11年ぶり

100年以上の歴史を誇る、サッカー日本一を決める第102回天皇杯全日本選手権が昨日行われ、J2のヴァンフォーレ甲府サンフレッチェ広島PK戦の末下し、初制覇を達成しました。サッカーの国内リーグの最上位カテゴリーの一つ下のJ2に所属をしているチームの優勝は、第91回大会のFC東京以来11年ぶりとなりました。


今回の甲府の優勝はいろいろドラマチック過ぎました。まず試合展開ですが、前半26分に甲府が先制。このまま逃げ切るかと思いきや、84分に同点に追いつかれ延長戦に。この延長戦がドラマでした。延長後半に、甲府ひと筋20年の大ベテランの山本選手を投入。その山本選手がわずか4分後にハンドを犯してPKを与えてしまいます。「人生が終わった気分だった」山本選手を救ったのが、チームで2番目、35歳のベテランGK河田選手でした。キッカーが蹴る瞬間にわずかに左に動いたのを、GK出身の私は見逃しませんでした。逆をとり、右に横っ飛びし、見事枠外にはじき出しました。ここでドラマを終わらず、PK戦に突入。成功すれば初のタイトル獲得、プレッシャーのかかる5人目に登場したのがハンドをした山本選手。落ち着いて蹴ったボールは、ゴール左上隅に吸い込まれていきました。


甲府は、J2では7連敗中で18位に沈んでいて、J3に陥落しそうなチームでした。そんなチームが天皇杯では快進撃を見せるところが、一発勝負のカップ戦のおもしろいところで、札幌、鳥栖、福岡、鹿島とJ1チームを4つもなぎ倒し、5チーム目の広島にも勝ってしまいました。もうミラクルとしか言いようがありません。こんな地方の小クラブの甲府が、来年はアジアチャンピオンズリーグに出場します。本拠地のスタジアムが大会基準を満たしておらず、別の会場を使うことが濃厚で、J2は試合数も多く調整が大変。このあたりのドタバタぶりも、クラブが大きくなるには必要なプロセスなので、サポーターと一緒に楽しみながら来年も戦って欲しいです。

 

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