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ダイキン、中国部品使わずエアコン生産 有事に備え

ダイキン工業は、2023年度中に有事に中国製部品がなくてもエアコンを生産できるサプライチェーンを構築します。


これまで日本企業はコスト競争力の高い中国に生産拠点や部品調達先を集中させてきました。財務省によると、中国からの20年の輸入額は17兆円と全体の4分の1強の26%を占めます。特に家電製品や自動車の部品については中国への依存度は高く、ダイキンも10年代半ばから部品調達で中国への集中が進み、中国からの割合は20年には金額ベースで35%まで高まっていました。


ダイキンの部品調達比率は21年には20%まで引き下げましたが、今年に入ってゼロコロナ政策を受けた上海のロックダウンの影響で一部製品の生産が減少する事態も生じました。それ以外にも米中対立による供給途絶リスクや地政学リスクもあります。


ダイキンはただちに中国製部品をゼロにするのではありません。まずは、省エネなど中核機能に関わる部品を日本国内で内製化する。さらには、中国以外に工場を持つ取引先に生産を要請、中国にしか生産拠点を持たない取引先には、他国でも製造できるよう工場の新設を求めていく方針。平常時は中国から部品を調達する体制を維持しつつ、非常時には他地域からも調達できる体制を構築していくようです。


対中リスクを考えると、製造業の取るべき道のひとつのモデルになると思います。ただ、ダイキンの生産するエアコン空調の部品点数は約3000点と多いですが、それでも自動車の10分の1と少なく、まだサプライチェーンを構築しやすいと言います。自動車など、もっと部品点数が多い業界・企業はさらに大変になってきます。

 

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