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国に仕えた無私の精神 エリザベス女王死去

英国のエリザベス女王がなくなったニュースは、安倍元首相が銃弾に倒れたニュースとはまた違った驚きがありました。


御年96歳。在位は何と70年余り。第二次世界大戦と現代との最後のつながりのひとつと記事にありますが、まさにその通りです。チャーチル首相と若かりし日のエリザベス女王の写真なんて、強烈に時代を感じます。私は50歳ですが、昭和天皇から数えて3人の天皇を知っていますが、英国の人たちの大半はほかの国王の時代を知りません。まさに、英国の象徴であり続けました。


先日、英国の新首相に選ばれたリズ・トラス氏を女王は任命していましたが、そのわずか数日後に亡くなったのはびっくりしました。首相任命はロンドンのバッキンガム宮殿で実施されるのが伝統ですが、医師団の進言で英北部スコットランドのバルモラル城でされたのは知りませんでした。


女王は歴代の首相と内閣の知恵袋として君臨、王室の試練も小柄な体で受け止め、国民からも愛されていました。申し分のない女王で、その政治感覚にほとんど狂いはなかったですが、例外は97年、チャールズ皇太子(当時)のダイアナ元妃が亡くなった際の対応だったと記事にあります。国民に広がる悲しみに、王室はなかなか反応しなかった。しびれをきらした当時のブレア首相が「国民のプリンセス」に哀悼の意を表し、王室はようやく後に続きました。


これも、ミスとか不誠実とかではなく、女王もひとりの人間なんだという人間臭さを感じさせるエピソードだと思います。それは、息子のチャールズ新国王に対してはもちろん、ダイアナ妃に対してもいろんな思いはあったでしょう。


国王も首相も変わった英国。エリザベス女王のご冥福を心からお祈りします。 

 

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