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稲盛和夫氏、独自の「アメーバ経営」 JALやKDDIで結実

京セラ創業者の稲盛和夫氏が24日、老衰のため亡くなりました。90歳でした。

 

鹿児島市出身で、会社員を経て1959年に京都セラミック(現在の京セラ)を創業。京セラの事業領域は電子部品、太陽電池事務機器などに広がり、連結売上高は2兆円に迫る大企業を作り上げました。このあたりは序の口というところが稲盛さんのすごいところで、1984年には第二電電の準備会社を設立。NTTが独占する市外電話や携帯電話などの事業に割って入り、2000年にKDDIを発足。NTTに次ぐ総合通信会社を作り上げました。


さらには、稲盛氏の生涯を貫くキーワードとして挙げられるのが「権威への反骨」で、自民党も好きではなく、「日本をよくするには政権交代が可能な国にすることが必要」との思いから、旧民主党を支援。その民主党所属で旧知の前原国土交通省からJALの再建を託され、2回断ったものの3回目で引き受け、2010年1月に経営破綻した会社を見事再建させました。


そこで持ち込まれたのが、「稲盛スペシャル」ともいうべき「アメーバ経営」。組織をアメーバのように小集団に分け、採算管理を徹底するこの手法をJALにも導入。「JALフィロソフィ」も発表し、経営や仕事に対する考え方を改革し、11年3月に更生手続きを終了、12年9月には再上場を果たしました。


アメーバ経営JALのような大企業だけではなく、稲盛氏自身が経営哲学を伝える「盛和塾」や多くの著作を通して、国内外の経営者に影響を与えました。20年以上前に私がサラリーマンをしていた時に、熊本の材木屋の社長が「うちはアメーバ経営をやってる」と言っていたのを今でも思い出します。組織を小集団に分けるということは、リーダーもそれだけ多くなる。小集団なので、ひとりひとりの役割が非常に重要になる。採算管理も徹底するので、責任も増す。どうやっても、主体的にやらざるを得なくなる。

 

今の自分の仕事は、ひとりでやっているので、アメーバ1つしかありませんが:ニヤ:、主宰するNPO法人などは、やりたい人にどんどんやってもらい、自分はゴールキーパーとしてゴールだけ守っている。稲盛さんのアメーバ経営は大好きな考え方で、常に意識しています。


記事にもありますが、昭和のカリスマ経営者が松下幸之助さんなら、平成のカリスマは間違いなく稲盛和夫さんです。


心からご冥福をお祈りしたいと思います。

 

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