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広がるグレーゾーン許容 コロナ拡大、揺れるスポーツ界

新型コロナウイルスの感染拡大でスポーツ界が再び揺れています。大相撲は休場続出、プロ野球などでも試合の中止が急増中です。しかし、現在の「第7波」対策には政府による観客動員の制限が伴わず、主催者たちは「まず興行の成立を」と日程消化と収益確保を優先させる動きもみられます。


記事の表題にもある「揺れるスポーツ界」ですが、日本は揺れていますが、海外のスポーツイベントはそうではないようです。選手や観客への制限は日本よりはるかに緩く、競技を離れた場でもマスクを着用しない選手が大半を占め、日本ではいまだ全面解禁にいたっていない観客の声出し応援もとうに認められています。7月に行われたゴルフの全英オープンには史上最多の観客が詰めかけ、フランスの自転車レース「ツール・ド・フランス」も3年ぶりにコロナ前のスタイルで運営されました。陽性者の多くが無症状という現状を踏まえ、選手のPCR検査を取りやめる動きも見られます。

 

この記事を読んでのポイントは2つ。まずひとつは、国際的な「グレーゾーン」が日本のスポーツ界にも浸透するかどうか。ラグビー日本代表は活動の継続を重視し、合宿開始後のPCR検査をとりやめました。合宿が始まった6月上旬以降、陽性者と接触した選手には抗原検査だけを実施。陰性で症状がなければ活動を続けさせ、欧州王者フランスとの2試合を含む日程をすべて消化しました。興行を安定させるため、バスケットボール男子のBリーグも秋にはじまる新シーズンから選手やスタッフへの一律のPCR検査を実施しない方針を固めています。島田チェアマンは「体調不良者が出たら、そこから対応していく形にしたい」と語り、従来の感染対策を見直す考えです。これが浸透すると、感染が広がっているプロ野球の巨人なども試合に出場できる選手が増えるかもしれません。

 

もうひとつは、「グレーゾーン」がスポーツイベントだけでなく、私たちの生活にも浸透するかどうか。検査、検査、濃厚接触者特定、隔離と、感染者をある意味つかまえにいってましたが、グレーゾーンに逃がし、追いかけないことを果たして社会が許容できるかどうか。

 

難しい判断にはなってくると思います。

 

www.nikkei.com