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自民党、安倍氏失い崩れた「楕円」岸田政権、調整型に限界

岸田首相は、政権運営にあたり宏池会の先輩である大平正芳元首相が唱えた「楕円の理論」を参考にしてきたようです。二つの中心がある方が、一つよりも安定するとの考え方。その一つが行政府の長である自分で、もう一つが自民党の最大派閥を率いる安倍氏の存在になるとの見立てです。岸田首相は、党内第4派閥の会長に過ぎず、党内を円滑に運営していくには最大派閥の協力が欠かせないのは自明です。


安倍氏は財政政策、防衛費の扱いなどで注文をつけてくる、ある種面倒な相手でもあった一方、党内議論を経て決まった物事については、首相に批判的な議員や勢力を抑える「盾」の役割も果たしてきました。その盾がなくなって自民党がどう纏まるかですが、それほど心配することはないように思います。自民党が分裂し、内部崩壊するとすれば、選挙に負け議席を減らした時ですが、現在の獲得議席数は衆参ともに自民党史上最高クラスに安定しています。今、自民党内でごちゃごちゃ言って混乱させる議員はまずいないと思います。

そこで、安倍さんがいなくなって、ある意味調子に乗りそうなリーダーであれば、煙たがる人もいるでしょうが、そこは稀代の調整型リーダーの岸田さん。多少はトップダウン型への変化はあるかもしれませんが、人はそんなにすぐには変われませんし、安倍氏不在の今は調整型の岸田さんタイプの方がいいように思います。

この記事では、安倍さんがいるメリットを強調した記事になっていますが、いなくなって岸田さんがやりやすくなる面も少なからずあると思います。

 

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